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来日前に、日本の部屋を決める

海外にいたまま日本の賃貸契約を結ぶことはできます。ただし物件を選び、先に4つを揃えた場合だけ。何が関所になるのかを実務で書きます。

公開 2026年8月3日

日本の部屋探しの解説は、たいてい「もう日本にいる人」を前提に書かれています。店舗に来て、在留カードを出して、土曜に3件内見しましょう——9月に来日する人がいまベルリンやバンガロールにいるなら、その手順はどれも使えません。

海外にいたまま契約すること自体は可能です。ただしこれは国の制度の話ではなく、物件ごとの話で、しかも「どの物件なら可能か」はほとんど公開されていません。探し始める前に知っておくべき事実は、まずこれです。

関所は4つ

1. 保証会社の審査を通ること

ここが本当の関所です。日本の賃貸は、貸主に気に入られれば済むわけではなく、家賃保証会社という第三者の審査を通す必要があります。いまはほぼ全ての募集が保証会社必須で、初回保証料と年次更新料が費用に乗ります。

審査が見るのは収入・勤務先、そして——ここが効きます——連絡が取れるか、いざという時に追えるかです。日本の住所も電話番号も勤務実績も無い申込者は、保証会社にとって扱いにくい案件になります。だから海外申込を断る会社もあれば、専用の手順を持っている会社もあります。

これが確認できている募集には 海外審査可 と書かれていることがあります。法律上のカテゴリではなく、「この建物の保証会社なら海外からの申込を審査に乗せます」という元付業者からの表示です。図面にその記載がある物件は、当サイトでは §03 の欄に**「海外審査:可」**として出しています。

2. 日本国内の連絡先

海外審査が通る物件でも、緊急連絡先を求められると考えてください。日本国内で連絡が取れる人です。留学なら学校、駐在なら勤務先が引き受けることが多い。どちらも無い場合は、契約直前ではなく申込の前に言ってください。現実的に狙える物件が変わります。

3. 期日どおりに海外から着金するお金

日本の初期費用は前払いで、鍵の受け渡し前に全額必要です。内訳の目安:

項目 目安 返ってくるか
敷金 1〜2ヶ月 原状回復費を引いて返る
礼金 0〜2ヶ月 返らない
前家賃 1ヶ月(日割りのことが多い)
仲介手数料 上限 1ヶ月+消費税 返らない
保証会社 初回料 家賃の0.5〜1ヶ月程度 返らない
火災保険 15,000〜25,000円 / 2年 返らない
鍵交換費 15,000〜25,000円 返らない

仲介手数料には法律の上限があります。宅建業法で、業者が貸主・借主の双方から受け取れる合計は家賃1ヶ月分+消費税まで。居住用では、承諾を得ていない限り一方からは半月分までです。「仲介手数料2ヶ月」と言われたら、それは交渉の余地ではなく規定の外側です。

海外送金が5営業日かかり、中継銀行手数料で不足して着金する——これは実際に契約が流れる理由です。いつまでに円でいくら着金している必要があるかを必ず確認し、早めに送ってください。

4. 立たずに判断できるだけの材料がある部屋

ここが当サイトの役目です。部屋に立てないなら、正直に判断できるだけの材料が要ります。寸法の入った間取り図、築年と構造、窓の向き、実際に何が付いているか。そして「クローゼットを塞がずに机を置ける壁はありますか」といった個別の質問に答えに行く人

私たちはこれをオンライン内見でやっています。担当が現地に行き、あなたはどこからでも参加して、測ってほしい所を指示できます。3Dモデルでもバーチャルツアーでもなく、人が部屋にスマホを持って立っている——結局これがいちばん役に立ちます。

海外からはできないこと

順番は現実的に見てください。日本に来ないと進まないものが確かにあり、これは業者側でも短縮できません。

  • 在留カードは入国時に交付されます。在留資格認定証明書やビザで先に契約を進め、後からカード情報を更新する貸主もいれば、カードの現物が無いと動かない貸主もいます。
  • 日本の銀行口座は住所と、実務上は在留カードが要ります。初期費用は海外送金で払い、家賃の口座振替は入居後に設定するのが普通です。
  • 日本の電話番号は早めに用意してください。保証会社は本当に電話をかけてきます。
  • 住民票は入居後に役所で。ここから先に開く手続きがいくつもあります。

つまり現実的な形は、海外で契約と支払いまで済ませ、来日して最初の2週間で在留カード依存の手続きを片付ける、です。

時期の話(正直に)

日本の賃貸は「押さえておく」ことができません。貸主が家賃の発生しない空室を1ヶ月以上放置することは稀なので、7月上旬に見つけた部屋を9月下旬入居で確保するのはたいてい無理です。8月に入れる人が先に決めてしまいます。

入居月から逆算してください。

  • 8〜6週間前: エリアと予算を決める。緊急連絡先の当てをつける。送金手段を確認する。
  • 5〜4週間前: ここで実際に申し込む。いま空いている部屋が、いま取れる部屋です。
  • 3〜2週間前: 審査・契約・入金。

9月に来るなら、8月は「見る」月ではなく「申し込む」月です。4月・10月入学なら、同じ時計を5週間前に合わせてください。

当サイトがしていること

全部は載せません。ここにある部屋は、住んで働くに値するかを人が見て選んだものだけで、1件ずつ「なぜ選んだか」の目利きノートが付いています。海外審査・事務所利用・法人登記について図面に記載がある物件は、聞かれる前にページの欄に事実として出しています。

入居月・予算・希望エリアを教えていただければ、いまのあなたの位置から実際に取れるのはどれかを正直にお答えします。

この記事は一般的な実務の説明で、法律・税務の助言ではありません。条件は物件・貸主・保証会社によって変わります。個別の判断は必ずご相談ください。

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